「マタイ受難曲」は、バッハの死後、忘れられていたが、1829年、作曲家メンデルスゾーンが復活上演し、今日につながる再評価のきっかけとなった。
礒山氏は「(「オリーブ山での預言」「ゲッセマネの園」)どちらにおいても示されるのが、受難の真の原因はわれわれの心の中にこそあり、それを何よりも自覚したい、という考え方である。私は宗教宗派を超えて、こうした考え方を尊敬する。なぜなら常に外側に犯人捜しをして内面を顧みないのが、現代においても変わらない、人間の傾向だからである」とする。
宗教音楽の中の一つのジャンルに死者のためのミサ曲「レクイエム」がある。ヴェルディ、フォーレらとともに「三大レクイエム」の数えられるのが、モーツァルトの「レクイエム」。「この曲が存在することを、神とモーツァルトに感謝せずにはおれない。不朽の傑作」(音楽評論家、國土潤一氏)という作品。
モーツァルトが作曲依頼を受けたのは1791年8月。しかし、その年の12月5日、35歳の若さで亡くなった。体調が悪い中、死の前日まで作曲を続けていたが、未完に終わった。