チャールズ・チャプリン(1889~1977年)のひつぎを“誘拐”して身代金を要求する-。という何ともばかげた実話をベースに、フランスのグザヴィエ・ボーヴォワ監督(48)が随所に喜劇王へのオマージュを散りばめた心温まる人間ドラマを仕立て上げた。タイトルは「チャップリンからの贈りもの」。このあまりにも不謹慎な事件の映画化に賛成し、遺族の一人として全面的に協力したチャプリンの四男、ユージーン・チャプリン(61)が先日、本作のプロモーションで来日した。
「父の精神を継承」
SANKEI EXPRESSの取材に応じたユージーンは「もし父が天国でこの映画を見たら、まずは『自分に美しいオマージュをささげてくれた作品が完成したこと自体がうれしい』と感じてくれるでしょう」と偉大なる父親の気持ちを推し量った。ユージーン自らも「作品には『ヒューマニズム』という父の精神がきちんと受け継がれているばかりか、物語もオリジナルで興味深いものでした。感動しましたよ。この作品を見た大勢の人たちが私に『この作品が好きだよ』と声をかけてくれるのも理解できます」と、熱心に映画化を訴え続けたボーヴォワ監督に謝意を示した。