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滅びの美学体現 浦井に高評価 舞台「トロイラスとクレシダ」 (1/2ページ)

2015.7.28 13:30

俳優の浦井健治さん(左)とソニンさん=2015年7月13日(細野晋司さん撮影、提供写真)

俳優の浦井健治さん(左)とソニンさん=2015年7月13日(細野晋司さん撮影、提供写真)【拡大】

 シェークスピアの問題劇とされ、過去の上演回数は少ない。悲劇と喜劇が混在し、原作は中途半端に終わる印象すらある。だが「こんなに面白い作品とは思わなかった」との声が多く寄せられ連日、盛況だという。演出の鵜山仁(うやま・ひとし)はじめ文学座のベテラン勢が脇を固め、主演の浦井健治が実力で応えて結果につながった。

 描かれるのは恋愛が大義名分となる戦争の顛末(てんまつ)だ。舞台となるトロイ戦争は、ギリシャから妃が奪われて始まる。トロイ王子トロイラス(浦井)が愛したクレシダ(ソニン)は、捕虜交換でギリシャに引き渡され、将軍ダイアミディーズ(岡本健一)に求愛される。

 女たちは敵と味方に翻弄され、生き抜くために愛した男を裏切る。真面目に恋と戦に励む男たちの姿は、時としてほほ笑ましくもおかしい。生々しく描かれる人間の本音は観客の共感を呼び起こす。

敗色濃厚となった終盤で滅びの美学を体現

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