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【国際政政治経済学入門】増税路線で同一歩調 やっかいなFTと日経 (4/4ページ)

2015.7.29 08:00

英フィナンシャル・タイムズグループの買収発表会見に臨む日本経済新聞社の岡田直敏社長(左)と喜多恒雄会長=2015年7月24日、東京都内のホテル(共同)

英フィナンシャル・タイムズグループの買収発表会見に臨む日本経済新聞社の岡田直敏社長(左)と喜多恒雄会長=2015年7月24日、東京都内のホテル(共同)【拡大】

 FTは13年9月13日付の社説で、消費税増税を「挑戦するに値するギャンブル」「さいは投げられた」と書いた。こうして国際、国内両面から包囲された安倍晋三はさんざん迷った揚げ句、13年9月下旬、翌年4月からの消費税率8%への引き上げを決断した。

 かの中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立や人民元のIMF仮想通貨SDR(特別引き出し権)への組み込みについて、FTは好意的だ。ロンドン市場での人民元国際決済が念頭にあるはずだ。日経はAIIBへの日本の参加を求める。人民元のSDR通貨化についてもFTと同調するだろう。

 日本経済は増税後、再生軌道から外れ、アベノミクスは正念場だ。人民元膨張は中国の軍拡と同時並行だ。日本が成長することよりも、デフレの中で余剰貯蓄が国内で使われず、国際金融市場に流れるほうに関心を向けるFTと、日経が同一論調になることは日本にとって災厄だ。

 喜多会長は、FTと「報道の使命、価値観を共有」していると表明したが、日本衰退の道を共有するのはごめんこうむる。(産経新聞特別記者・編集委員 田村秀男/SANKEI EXPRESS

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