地酒を専門に扱う店の店長に話を聞くと、若い蔵元を中心に6年ほど前から夏酒のラベルを付けた商品が広がったという。長い日本酒の低迷期のなか、焼酎ブームへの対抗や特に落ち込む夏場の消費量を上向かせたいといった狙いから始められたのだと教えてくれた。
「夏酒」をうたう商品は、清酒だけではない。飲みやすさとのどごしの良さから微発泡の濁り酒を売り出す蔵も多い。神社の夏祭りに奉納するために造られた濁酒をヒントに醸造された活性濁り酒などは、そもそも1年を通じて日本酒が飲まれていた時代をほうふつとさせる。
こうした動きは地酒蔵だけではなく、大手メーカーも負けてはいない。「夏酒」の醸造はもちろん、日本酒をロックで楽しむスタイルを普及させる活動も行われている。
きょうもまた、晩酌は夏酒だった。ビールが嫌いになったわけでは決してないが、こんな夏があってもいい。(佐々木詩/SANKEI EXPRESS)