《幼なじみのローラ(イジルド・ル・ベスコ)が病で急逝し、なかなかショックから立ち直れないクレール(ドゥムースティエ)。気持ちに区切りをつけようと、思い切って会社を休んだある日、クレールはふと思い立ってローラの夫、ダヴィッド(ロマン・デュリス)と生後間もない娘の様子を見にローラの自宅を訪ねる。するとそこには、ブロンドのカツラとローラのワンピースを身にまとい、真っ赤な口紅を入念に塗り、すっかり変わり果てた姿で赤ちゃんをあやすダヴィッドの姿があった…》
「自由とは」 問いかけ
オゾン監督の映画作りを実際に体験し、ドゥムースティエはどんな感想を持ったのだろう。「映画作りに臨む姿勢は独特なものがありましたね。厳しさと寛大さという一見、相反するものが常に彼の内面に同居していたのです。建物の内装も含め、美全般に対する要求レベルはきわめて高かった。脚本の出来栄えについても、彼が求めたものはきっと作家以上のものだったはずです。それでいて出来上がった映画は誰もが楽しめるおおらかで優しいタッチの仕上がりとなってしまう」。まるでオゾン監督が魔法使いだったとでも言いたげだ。