7月から嗜好目的での大麻使用も合法化された米オレゴン州のポートランドで、大麻グッズの品定めをする愛好者(左)。全米での潮流となった大麻合法化だが、ニューヨーク市では社会的副作用も問題化している=2015年7月3日(ロイター)【拡大】
米ニューヨークで、「合成大麻」と呼ばれる危険(脱法)ドラッグがホームレスや低所得者の間で急速に広まり、社会問題化しつつある。廉価で酒店やコンビニなどで入手でき、簡単に高揚感が得られることから手を染める人が増えているのだが、増加傾向に歩調を合わせるように殺人や強盗などの凶悪犯罪件数も減少から増加に転じている。1990年代には「全米一の犯罪都市」と言われながら、その後、劇的に犯罪を減少させた実績のあるニューヨークだが、合成大麻がさらに浸透すれば、犯罪都市に逆戻りしかねないと懸念する声が上がっている。
危険ドラッグに類似
「合成大麻がもたらす禍根は今や、ニューヨークで最も懸念される大問題の一つとなった。脱法すれすれというよりは完全に違法な合成大麻は、武器化されたマリフアナ(大麻)と言ってもよく、野放しにはできない」
ロイター通信などによると、ニューヨーク市警のウィリアム・ブラットン長官(67)は4日、記者会見でこう語気を強めた。問題の合成大麻は「スパイス」や「K2」などの商品名で売られているもので、多幸感、鎮痛、幻覚といった精神神経反応を引き起こすカンナビノイドを合成した薬物を植物片に添加している。錯乱や頭痛、心拍数の上昇、痙攣(けいれん)、意識障害などの症状を起こすことから、使用が制限されている。