米首都ワシントンのアメリカン大学でイラン核合意に関する演説を行うバラク・オバマ大統領。強い語気で野党・共和党側に合意の承認を迫った=2015年8月5日(ロイター)【拡大】
オバマ氏は「突き詰めれば、外交か、ある種の戦争かの選択に直面している」として、野党側に承認を迫った。
欧米など6カ国とイランによる最終合意である「包括的共同行動計画」は、最長で15年間、核兵器開発につながる濃縮ウランの貯蔵量を大幅に制限することや、国際原子力機関(IAEA)が制限付きで軍事施設を査察することなどを盛り込んだ。
これによって「永久的にイランの核兵器取得を禁じる」(オバマ氏)ことに道を開けなければ、イスラエルがイランの核関連施設に対する空爆に踏み切りかねないという危機感が米政権にはある。オバマ氏はキューバ危機に際して核戦争を回避したケネディ氏に、自らを重ね合わせているのだろう。
党ナンバー3の「造反」
演説の翌日、オバマ氏に冷や水を浴びせるような事態が起きた。上院の民主党ナンバー3で次期院内総務候補であるチャールズ・シューマー上院議員(64)が最終合意を承認しないと表明したのだ。