カイホアンでは生産量が年々増えて、年間約2万リットル醸造しているが、島全体の生産量は近年下降線の一途をたどっているという。時代の変遷とともに醸造所の閉鎖が相次いだことに加え、原料となるカーコムの漁獲高が減少しているのだという。そして、その背景には遠く離れたスプラトリー(中国名・南沙)諸島の領有権問題があった。
ベトナムをはじめ、中国、フィリピン、マレーシアなどが領有権を主張するスプラトリー諸島だが、タイ湾とともにカーコムの二大漁場の一つでもあった。ホンさんも「今は東(スプラトリー諸島)には行きづらいので、漁はもっぱらタイ湾。早い解決を願います」と、拿捕(だほ)などの危険を伴うスプラトリー諸島の一日も早い平穏を願っている。
ベトナム人の心をとらえてやまないフーコック島で熟成した“金色のしずく”。一度でも口にしてしまったなら、いつまでも島とともにあり続けてほしいと願わずにはいられない。(写真・文:カメラマン 佐藤良一/SANKEI EXPRESS)