7月23日、米テキサス州南部のメキシコとの国境の町、ラレードを視察した後に記者会見に臨むドナルド・トランプ氏(中央)。「移民流入を防ぐため、国境地帯には『万里の長城』が必要で、建設費用はメキシコ政府に払わせる」などと、再び過激な持論を展開した=2015年(ロイター)【拡大】
【国際情勢分析】
来年11月の米大統領選挙の候補者指名争いが早くも熱気を帯びている。ただし、候補者間の論戦が本格化しているからではなく、共和党から出馬表明した不動産王、ドナルド・トランプ氏(69)の発言が物議を醸し、話題をほとんど独り占めしているためだ。
支持率トップの調査も
「われわれが泡沫(ほうまつ)候補に関心を払うことはめったにない。しかし、トランプ氏ほどの不愉快な人物となれば例外だ」
7月20日付の米紙ワシントン・ポスト社説(電子版)は、紙面で取り上げたくもないであろうトランプ氏について報じる理由をこう説明した。
トランプ氏は、移民問題に絡みメキシコ人を「強姦犯」と呼び、同じ共和党の候補者の携帯番号を読み上げるなどの暴言を繰り返している。
最近ではベトナム戦争で捕虜になり激しい拷問を受けた共和党のジョン・マケイン上院議員(78)について、「捕まったから英雄になった」と侮辱した。退役軍人を含む多くの有権者が強く反発したものの、一部の世論調査での支持率は10人以上の共和党候補でトップに躍り出ている。