「大変だったでしょう。ご苦労さま」。横浜市の和田長子さん(88)は戦死した兄2人に語り掛けた。親思いの兄たちだったが、遺骨すら見つかっていない。「戦争はもうたくさん。平和が一番です」とかみしめるように話し、焼香した。
叔父が南方に出征中、乗っていた輸送船が撃沈されて亡くなったという埼玉県久喜市の新田広治さん(70)は「無念だっただろう」と帽子を取って手を合わせた。「こんなことで死ぬのは自分たちだけでいいと思っているはず。戦争だけは絶対にいけない」と力を込めた。
≪靖国参拝「安らかに眠って」「今年が最後かも」≫
東京・九段北の靖国神社では、遺族らが次々に参拝に訪れた。強い日差しが照り付け、セミの鳴き声が響く境内には、1人で訪れる高齢者や若者、子供を連れた家族の姿も。戦争で奪われた大切な人を思って手を合わせ、不戦への誓いを新たにしていた。
東京都西東京市の高山要さん(84)は、軽巡洋艦の乗組員だった兄=当時(17)=が広島県・江田島で米軍機の攻撃に遭い死亡した。参拝を終えると「兄貴が生きていれば私の人生も違ったかもしれない。安らかに眠ってくださいと祈ってきた」としみじみとした口ぶりで話した。