引退会見後、花束を手にステージを後にする楽天・斎藤隆投手=2015年8月17日、宮城県仙台市宮城野区のコボスタ宮城イーグルスドーム(土谷創造撮影)【拡大】
米大リーグでも活躍したプロ野球楽天の斎藤隆投手(45)が17日、仙台市内の球団施設で記者会見し、今季限りでの現役引退を表明した。「今は非常に晴れやかな思い」と落ち着いた表情で語った。
横浜でスタートし、米大リーグでも5球団を渡り歩いた斎藤の24年間のプロ生活は、原点である故郷で終着を迎えた。「こんなに幸せな野球人生を送れると思っていなかった」というのは偽らざる心境だろう。
2013年、日本球界に復帰する際に選んだのはアマチュア時代のあらゆる思い出が詰まった仙台だった。生まれ育ち、野球を始めた地。東北高で甲子園大会出場を決めたのも、東北福祉大で野手から投手に転向する契機をつくったのも、現在コボスタ宮城の愛称で楽天の本拠となっている県営宮城球場だった。
ブルワーズ時代の11年にはその故郷を東日本大震災が襲った。海の向こうで被災地に思いをはせながらプレーし、復興支援にも携わってきた。だが「そのことと(楽天に)入団させていただいたことは別」ときっぱり言う。