天安門に掲げられた毛沢東主席の肖像画。出席していなかったカイロ会談を題材にした映画で“主役”に祭り上げられ、波紋が広がっている=2015年8月14日、中国・首都北京市東城区(AP)【拡大】
ところが、この作品のポスターと予告編映像が大問題になった。ポスターには、中国の人気俳優、唐国強(タン・グオチャン)さん(63)演じる毛沢東主席の写真を掲載。予告編映像にも、「世界の共産主義者が果たすべき使命は、闘争を通じてファシズムに反旗を翻すことだ」と熱弁する場面が登場し、カイロ会談で毛沢東主席が重要な役割を果たしたかのように印象づけている。
1943年11月に開かれたカイロ会談には、米国のフランクリン・ルーズベルト大統領(1882~1945年)、英国のウィンストン・チャーチル首相(1874~1965年)、そして中国国民政府の蒋介石主席(1887~1975年)が出席。日本が中国から得た領土の返還といった戦後の対日方針を定めた「カイロ宣言」を発表。その内容は、連合国のポツダム宣言へと引き継がれた。中国共産党を率いていた毛沢東主席はこの会議には出席していない。
このため、中国のネットユーザーからは「(髪がない)蒋介石にいつから髪の毛が生えたんだ」などと、歴史の歪曲にとどまらず、出席者を差し替える“捏造(ねつぞう)”との指摘が相次いだ。
これを受け、映画会社の広報担当者はWSJに対し「会談だけでなく、会談を軸に据えた国際的視点で制作した」と説明。「毛沢東主席の写真を使うことで映画を大げさに売り込もうといった特別の意図はなかった」と釈明した。