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知床・赤岩の浜 荒廃進む番屋 時間が止まったエアポケット (3/4ページ)

2015.8.19 14:00

今年の冬に生まれた子グマと母グマが浜辺を歩いてゆく=2015年7月20日、北海道・知床半島(伊藤健次さん撮影)

今年の冬に生まれた子グマと母グマが浜辺を歩いてゆく=2015年7月20日、北海道・知床半島(伊藤健次さん撮影)【拡大】

  • 大潮の日の赤岩の浜。潮が引くと海はコンブや海草がひしめく=2015年7月17日、北海道・知床半島(伊藤健次さん撮影)

 コンブを干す前浜は人力できれいにならされ、外の流しでは遠くの沢から引かれた水が涼しげな音を響かせる。そして周囲には熊除けの電気牧柵が2重に張られていた。船、ロープ、さまざまな道具どれもがこの浜辺の生活を守るのに欠かせない存在感を放っている。

 強烈な風や波、ヒグマ、そして町からの距離-。ここでは少しでも隙があれば、自然に負けて漁どころか日々の生活さえままならなくなる。のどかに映る風景にもたくさんの知恵が詰まっている。

 長く放置され傷んだ番屋の修理は手ごわい。土台から傾いているうえ、朽ちた木材にはくぎが効かない。隣接する倉庫が昨冬の大雪で潰れたので切り離し、母屋の屋根を張り直す。

 今年は古いホースをつなぎ、ついに沢から水を引くことができた。これはうれしかった。限られた日数でできることも限られるが、じわじわと補修を進め、番屋が立ち直っていくのはなかなか楽しい作業だ。古いガラスを生かし2階に窓を作る。するとその窓越しに熊の親子が浜で餌を探す姿が見えた。

ロッククライマーのように

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