ギリシャのプロコピス・パブロプロス大統領(右)と会談するアレクシス・チプラス首相=2015年8月20日、ギリシャ・首都アテネ(ロイター=共同)【拡大】
しかし、党の分裂は加速。チプラス政権は保守政党の独立ギリシャ人党との連立で議会定数300の過半数を占める162議席を確保するものの、再建策の法制化などをめぐる議会採決ではSYRIZAからの造反議員は約40人に膨らんだ。
SYRIZAは1月の総選挙で「緊縮策の破棄」を公約とし、増税や年金削減、高失業率に苦しむ貧困層を中心に支持を拡大して勝利した。財政破綻回避のためとはいえEU側に譲歩したチプラス氏への抵抗は大きい。党再結束のためチプラス氏は総選挙での反対勢力の排除を狙い、7月5日の国民投票で対EU協議の行き詰まりの打開を狙ったのと同じような“賭け”に出た。
7月には付加価値税(日本の消費税に相当)の引き上げが導入され、国民の不満も高まりつつある。年金改革の具体化などで国民がさらなる痛みを実感すれば、公約を捨てたチプラス氏への支持が、急落する恐れもある。
SYRIZAは最大野党の新民主主義党(ND)を上回る支持率を維持しており、次期総選挙でも再び第1党になる公算が大きい。チプラス氏は辞任に先立つ20日夜の公営テレビでの演説で「国民の判断をあおぐ責任がある」と述べたが、政治不信が募る中、厳しい審判になるのは必至だ。