舞台「ウーマン・イン・ブラック〈黒い服の女〉」(スーザン・ヒル原作、ロビン・ハーフォード演出)。8月30日まで公演(御堂義乘さん撮影、パルコ提供)【拡大】
ロンドンのウエストエンドで、1989年からロングランを続ける2人芝居。「ホラーをエンターテインメントに仕立てた作品」として評価が高く、劇中劇で2人が複数の人物を演じ分けながら、過去を明らかにしていく。
日本初演は1992年、7年ぶり7度目の上演で翻訳とキャストを一新、勝村政信(52)と岡田将生(まさき、26)が臨んだ。コメディーの要素もある劇中劇のやり取りがこなれてくれば、背筋が寒くなる終盤が際立つだろう。
中年の弁護士キップス(勝村)は若い頃の怪奇な体験にさいなまれ、家族に打ち明けて呪縛から解放されたいと考える。手助けに雇った若い俳優(岡田)は過去の出来事を芝居にして心の整理をつけるよう提案。俳優が若き日のキップスを、キップスが過去に出会った人々を演じていく。謎の黒い服の女、思いがけない悲劇など、恐怖の事実が再現されていく。スーザン・ヒル原作、ロビン・ハーフォード演出。