現在の人口は約5万人。沖合にゴンドウクジラが現れる夏の時期に、群れを発見した漁船が湾に追い込み、陸側で待ち構えている住民らが共同作業で仕留める。和歌山県太地町(たいじちょう)で行われている追い込み漁と同じ形態だが、捕鯨には漁師だけでなく、島内の住民が参加する点で、太地町のやり方とは異なる。食肉処理された鯨肉は漁に参加した住民たち全員に無料で配られ、今日まで伝統的なこの地域の営みとして継承されてきた。
米誌ニューズウィークが記事で「大自然が織りなす鮮血に満ちた劇的な漁」と表現したように、フェロー諸島での捕鯨は、クジラを仕留める際に大量の血が吹き出て、海洋が真っ赤に染まる。捕鯨をやめさせようとするSSは数年前から、この漁をセンセーショナルな表現で告発し、フェロー諸島の食文化を一方的におとしめてきた。
ニューズウィークに対して、フェロー諸島自治政府のカイ・レオ・ヨハンセン首相(50)は「フェローの捕鯨は持続可能なものであり、よく管理されている。動物の福祉も重視している。捕鯨はフェロー諸島の暮らしの一部なのだ」と答え、妨害を行うSSに反発した。