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【国際政治経済学入門】中途半端な元安 株価再暴落を招く (2/4ページ)

2015.8.26 08:30

中国の鉄道貨物輸送量と国際商品価格(いずれも2012年12月=100)=2012年12月~2015年6月。※データ:CEIC

中国の鉄道貨物輸送量と国際商品価格(いずれも2012年12月=100)=2012年12月~2015年6月。※データ:CEIC【拡大】

  • 中国・上海市の証券会社の株価モニターの前に突っ伏す投資家ら=2015年8月24日(ロイター)

 この程度の幅の切り下げだと輸出拡大攻勢をかけるわけにいかないだろう。それでも、実利はある。

 中国は世界最大の貿易大国で、貿易額は日本の3倍もある。中国の輸出がすべてドル建てで、元安でも輸出価格を据え置いたと仮定すると、4%余りの元安水準で推移した場合、中国の輸出業界には年間で11兆円強の「たなぼた利益」が転がり込む。国内総生産(GDP)に占める輸出比率は23%だから、GDPの1%近い為替差益である。設備過剰が深刻な業種は赤字操業で苦しんでいるが、輸出部門で利益を稼げる。過剰生産能力が日本の生産規模の4倍以上に達する鉄鋼産業の場合、輸出を急増させてきたが、元安で年間約3400億円強の利益増となる。中国は海外市場向けに値下げ攻勢をかけると、米国をはじめ全世界から猛反発を食らうだろう。ことに元安を警戒する米議会は対中貿易制裁を決議するに違いない。9月の訪米を控えている習近平国家主席がそんなリスクを冒すはずはないだろう。

北京当局のファンタジー

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