村で唯一の金融機関の平谷郵便局を利用する男性=7月28日、長野県下伊那郡平谷村(共同)【拡大】
政府の郵政民営化委員会は27日、会合を開き、ゆうちょ銀行の預入限度額引き上げの是非などに関する議論を本格化させた。この日は日本郵政グループや民間金融業界から意見を聴いたが、預金流出を警戒する地域金融機関を中心に反対論が根強く、立場の隔たりが鮮明になった。自民党が提言した9月末までの引き上げに関し、終了後に記者会見した増田寛也委員長(63)は「スケジュール的には大変だ」と語り、困難との認識を表明。11月と見込まれる郵政グループ3社の株式上場までに結論を出せるかどうかも「申し上げられない」と述べた。
意見聴取で、全国郵便局長会は「利便性向上や弱者の救済が必要」と金融サービスが受けにくい地域への配慮を要望した。一方、ゆうちょ銀とかんぽ生命保険の金融2社には日本郵政を通じて政府出資が続くため、金融業界は競争条件が公正でないと反発。国債に偏るゆうちょ銀の資産運用にリスクがあると指摘した全国銀行協会は「規模縮小が必要」と説いた。
「郵政民営化の推進の在り方」をテーマにした7~8月のパブリックコメント(意見公募)では計1395件の声が寄せられた。限度額の拡充には「地銀などが山間部や過疎地から撤退する中、(2社は)頑張っている」と個人を中心に肯定的な意見が多かったが、反対論もあった。