山健組は5代目組長時代、最大勢力として人事やシノギで優遇されてきたが、2005年7月に6代目体制となると、弘道会が優遇されるようになり、山健組内には不満を募らせる幹部が多くなっていったという。
山口組系幹部は「かつて山健組と弘道会の間でシノギがぶつかっても、その時の組長の裁定で穏便に解決していた。当然、5代目時代は山健組に有利に。6代目になればその逆だ」と内情を明かす。しかし、「山口組が割れれば、親分裁定がなくなる。ぶつかったシノギをめぐり抗争になる可能性がないとはいえない」と話す。
表社会と同様に暴力団関係者の間でも、最も大きな資金を獲得できるのは東京とされている。捜査幹部は「バブル以降、関西から続々と暴力団関係者が東京に向かった。賭博や違法薬物の売買といった伝統的な資金の獲得が目的ではなく、表経済に入り込むのが目的。彼らはビジネスマンそのもの。今もそれは変わらない。主戦場は東京だ」と指摘する。