数日前、中東の某国から友人がやってきた。友人は、インテリジェンス機関の元幹部で、分析と工作(オペレーション)の双方に通暁しているので、有益な話を聞くことができた。興味深い部分を正確に読者に伝えたい。
「脇腹」はヨルダン
「中東情勢のもっとも弱い脇腹はヨルダンだ。イスラエルは、ヨルダンに対する支援のレベルをあげた。具体的には、空軍の協力を始めた。イスラエルもヨルダンも、対外的には秘匿しているが、ヨルダンの領空防衛は事実上、イスラエルによって行われている。そもそもヨルダンは人工国家である。国内で無視できない比率を占めるパレスチナ人とベドウィン族は、ヨルダン王朝に対して忠誠を誓っていない。さらに、シリアからの難民が流入している。現状では、ヨルダンの治安は安定しているが、一瞬にして、大きく変化する危険性がある。米国のオバマ政権はこの危険性を過小評価している」