富栄養化が続けば、世界唯一の淡水アザラシを頂点とした「ロシアのガラパゴス」と呼ばれる貴重な生態系に打撃を与えるのは必至だ。ロシア政府も看過できず、ドンスコイ天然資源環境相も7月、下水処理設備のない施設を閉鎖する方針を表明した。
しかし、昨年のウクライナ危機後の経済悪化を受け、今年のバイカル湖の環境保護予算は昨年比で2割減った。湖に流入する川ではモンゴルが発電用ダム建設計画を明らかにするなど、開発構想もある。
グラチェフ氏はロシア政府の富栄養化対策は「不十分」と指摘。滋賀県が琵琶湖の水質改善のため、リンを含む洗剤などを規制する条例を制定したのに倣い、抜本的な対策を急ぐ必要があると訴えた。(共同/SANKEI EXPRESS)