かつて仏教が天竺(てんじく、現インド)から中国に伝播(でんぱ)したルートの一つに、ガンダーラ(現アフガニスタン東部)を経由し、中央アジアを通るルートがある。このルート上にあるのが、ウズベキスタン南部に位置するテルメズだ。紀元前からシルクロードの要所として栄え、クシャーナ朝時代(1~3世紀)には、カニシカ王によって仏教が手厚く保護され最盛期を迎えた。この時代に生まれたのが「大乗仏教」と「仏像崇拝」。
仏教は、そもそも修行をした者のみが救われるという教えであった。それに反発して生まれたのが「釈迦は大きな乗り物で全てを救う」とする大乗仏教である。そして仏像を造るようになり、偶像崇拝が始まったといわれている。
テルメズは仏教の変遷の過程から最も重要な地域であり、その後、中央アジアから長安(現西安)を経由して、日本に伝えられた仏教文化の原点がここにあるといっても過言ではない。