日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2015年、千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】
「タタミゼ」効果
私は遠出するとき、新幹線などを利用することがあります。せまい車内ですれ違うときなど「すみません」「ごめんなさい」との言葉が日本人ばかりでなく外国人からもかかります。「アリガトウゴザイマス」と笑顔でお礼を言われることもあります。丁寧な言葉と優しい笑顔には、私も同じように丁寧な物言いと笑みがこぼれます。これも「タタミゼ効果」なのでしょう。
かなり薄らいではいるものの、日本人には古来失われることなく脈々と受け継がれてきたものがあります。たとえば日本に帰化した小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)は、明治中期に当時の日本人について「並外れた善良さ、奇跡的とも思える程の辛抱強さ、いつも変わることのない礼儀正しさ、素朴な心、相手をすぐに思いやる察しのよさに目をみはるばかりだ」と書いています。現代の日本人、そして日本語を学び日本文化に触れ「タタミゼ」した諸外国人にある種共通しているように思います。