日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2015年、千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】
【尼さんの徒然説法】
強い日差し。アスファルトの照り返しがますます暑さをつのらせています。そんな中「暑さなんてどこ吹く風」と涼しげな顔で悠々と空を泳ぐオニヤンマ。滴り落ちる汗を拭きながら羨(うらや)ましそうに見ていると「そんなに汗をかいて。ここで休んだら?」と木々たちは葉陰を優しく揺らしています。そこには暑さをしのぐほかの虫たちの姿も。自然界の強さ、そして好き嫌いなくどんなものをも受け入れる限りない優しさ。私たち人間が自然界から学ぶことはまだまだ多そうです。
科学で説明つかない神秘
私たちは毎日、五官(感)を通して生活しています。見る、聞く、嗅ぐ、味わう、そして触れる。しかし人にはこの五官以外で「感じるもの」があります。たとえば電話がかかってきて、ふとなんだか嫌な気がすると思いながら出たら、親しい方が亡くなった知らせであったり。「胸騒ぎ」や「虫の知らせ」を感じたことのある方は少なくありません。また他の人は感じないのに、自分だけ神秘的な現象を目の当たりにしたという経験を持つ方もいるでしょう。世の中には科学では説明のつかない不思議なことがたくさんあるものです。