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イスラムだけが知っている世界舞台 そろそろ欧米中心型歴史観からの脱出へ 松岡正剛 (1/5ページ)

2015.7.8 15:30

【BOOKWARE】編集工学研究所所長、イシス編集学校校長の松岡正剛さん=9月14日、東京都千代田区の「丸善丸の内店内の松丸本舗」(大山実撮影)

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 【BOOKWARE】

 イスラム関係の本は200冊か300冊を読んできた。最初はイスラム教って何なのだろうかと思い、そのうちモスク建築やカリグラフィックデザインやアラビア数学やスーフィズムの独創性に惹かれ、それから歴史家イブン=ハルドゥーンや旅行家イブン・バトゥータを読み、ついで『クルアーン』や『アラビアン・ナイト』(千夜一夜物語)に目を通した。そのあいだに、マホメットはムハンマドと、コーランはクルアーンと日本語表記が変更されるようになっていた。

 その後、カリフ制度の絶対性を知り、「知恵の館」がおもしろくなり、独特の利子システムをもつイスラム経済が気になると、なぜ周辺民族がことごとくイスラム化していったのか、いったいウマイヤ朝、アッバス朝、モンゴル帝国、中国の元朝、ティムール帝国、オスマン帝国とは何だったのか、どうしてマリ帝国やスンニ朝やムガール帝国ができたのか、あれこれ気になってきた。イスラム国家というもの、その土地領域ごとに王朝が換骨奪胎されるのだ。そんな関心が募ってきた頃、イスラム過激派が次々に名のりを上げるようになったので、ぼくのイスラム熱もリアルな沸点に直面させられた。

アッラー、マラーイカ、クトゥブ、ルスル、アーヒラ、ダル、シャハーダ、サラー、ザカート、サウム、ハッジ

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