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「死」が訪れるからこそ「命」を大事に 鈴木日宣 (1/5ページ)

2015.6.9 16:00

日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2015年、千葉県内(財満朝則撮影)

日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2015年、千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】

 【尼さんの徒然説法】

 田んぼの緑が深みを増してきました。緑一色と見えているなか、シラサギの頭が見え隠れしています。緑と白のコントラストも美しいもの。梅雨時は見上げてもすっきりとした青空が望めませんが、自然界の美しさは自分の眼(め)の高さにもあることを教えてくれる、そんな季節なのかもしれません。

 悲しい事件で憂鬱に

 とはいえ憂鬱(ゆううつ)な季節であることは否めません。それは梅雨時のせいばかりではなく、「なぜそんなことで」と思うような事件によって尊い命が犠牲となる悲しい報道が流れるたびに一層、憂鬱な気分になるのです。「生を受ければ必ず死がくる」というのは自然界の摂理。誰にでも必ず「死」が訪れるからこそ「命」を大事にせねばならないのです。日蓮聖人も「命と申す物は一身第一の珍宝なり。一日なりともこれを延ぶるならば千万両の金(こがね)にもすぎたり」と仰せです。それなのにあまりにも自己中心的な理由で簡単に人の生命を奪う事件が多すぎることに憤りさえ感じます。

譬喩経(ひゆきょう)というお経の中に

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