【尼さんの徒然説法】
凛(りん)とした寒さのなか、ほんのりと咲きほころぶ梅の花。寒さに身を縮こまらせている私たち人間を見て「あら。もう春よ。そんなに寒そうにしておかしいわ」とクスクス笑っているかのように花びらを揺らしています。そう。立春が過ぎて1週間。春が一歩一歩近づいているのです。頬をさす冷たい風ですが、心の中に一足早く春を思い浮かべましょう。
大人が手本となる
昔、ある中国の高僧が「仏の教えである『悪いことをせず善いことをする』ということは3歳の子供でもわかるが、80歳の老人でもなかなか実践できない」と言いました。たとえば「親孝行」について、どんなことが親孝行か、それがどれほど善いことであるかということをみんな知っていますが、それが「実践」となるとなかなかできません。親を大切にすることは分かっていても、つい冷たい態度をとってしまうという方も多いのではないでしょうか。古(いにしえ)より「孝経をもって親を打つ」という諺(ことわざ)がございます。「親孝行についての本を学びながらその本で親を打ちたたくようなこと」です。たとえ立派で善いことを学んでも行動に移されなければ何にもなりません。