日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2014年4月2日、千葉県内(伴龍二撮影)【拡大】
【尼さんの徒然説法】
陽が西に傾く頃、お勤めのためにお堂に入りました。そっと障子を開けてみると堂内に差し込むのびやかな黄金色の光。秋の夕暮れは人の力ではどうにも作りえない美しい色合いを醸し出します。何にも代えがたいこのひとときをもう少しだけ…、と願ってしまうのは私のわがままでしょうか。
先月起きた、全盲の女子学生がけ飛ばされてけがをしたというニュースは、まだ記憶に新しいと思います。しかしこの事件に関しツイッターなどで、被害者であるはずの彼女への心ない非難の声が上がっていたことに憤りを覚えました。私の知り合いにも盲目のクラリネット奏者がおりますが、私たち健常者にはとうてい推し量ることのできない努力をその方々は積み重ねてこられたはずです。皆さんは光が入らないように目隠しをして、つえ1本で人ごみを歩けるでしょうか。障害を持つ方々がこの世の中に「一歩」を踏み出そうとすることに、どれほどの努力と、そして勇気が必要か。相手の身になって考えればすぐに分かることです。