日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2014年4月2日、千葉県内(伴龍二撮影)【拡大】
「他を愛すること」こそ人の道
今回の女子学生の事件のほかにも、幼い子供や犬猫に対する虐待。老人施設や障害者施設での入所者に対する虐待。発覚し事件となり世間に知られることになりましたが、これらは氷山の一角に過ぎないといわれています。不満やイライラのはけ口として暴力や暴言を弱者にむけるなどあまりにも卑怯(ひきょう)なことであり、人として恥ずべき行為と言わねばなりません。「慎思録」(江戸時代の儒者、貝原益軒の書)の中に「禽獣(きんじゅう)は自分を愛することを知っているが他を愛することを知らない。仁(人を憐(あわれ)み生あるものを慈しみ育む心)を持たない故に礼儀や正義もないのが禽獣の道である。しかし人の道には仁あるが故に己も他も愛することができ、礼儀や正義も持つことができる。これが禽獣と人間との違いである。人に仁無く礼儀や正義がなければ禽獣と同じである」ということが書かれています。
日蓮聖人は「古(いにしえ)の賢人は人倫(人としての正しい生き方)の四徳を修せよと言われている。四徳とは、一には父母に孝あるべし。二には主に忠義あるべし。三には友に礼儀あるべし。四には自分より弱い者、劣れる者に慈悲あれということである」と仰せです。親に孝行、主に忠義、親しい友にも礼儀ということはもとより、弱者にむける慈悲心を私たちは自分の心の中にもっと育てていかなければならないと思います。