日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2015年、千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】
夏の定番として心霊スポットについて放映する番組が増え「怖い物見たさ」で出かける人もいます。しかしそのような場所に面白半分では絶対に行ってはいけません。人は亡くなると普通は速やかに霊界に行くものですが、強い憎しみや怨(うら)み、執着を持った人はその念に縛られて魂がその場に留(とど)まってしまいます。霊界に行けず、苦しい、悔しい、憎いという念を持つ霊のさまよう場所に「面白そうだから」と行くのは危険です。実際、心霊スポットに行き心霊現象に遭遇したうえ体調が悪くなったと転がり込んできた知人もいます。
僧侶が葬儀を行うのは「自分は死んだ」と理解していない霊の執着心を祓(はら)い「あなたはもう死んでいるのです。これから回向供養をしてあげるから速やかに霊界に行きなさい」と引導を渡すためです。肉体から離れた魂は回向供養を受け執着心が無くなりますので、引導を渡されると素直に霊界に行きます。成仏できない霊のさまよう場所は、さらにきちんとした供養が必要です。