日蓮宗系の尼僧、鈴木日宣(すずき・にっせん)さん=2015年、千葉県内(財満朝則撮影)【拡大】
また東日本大震災において世界各国を感動せしめた日本人の辛抱強さや礼儀正しさ、少ない食べ物や毛布をさえ譲り合う思いやり。無自覚の中に湧き起こるものこそ、本来の人間性ともいえましょう。独特の美しい文化や、敬語を含む繊細で豊かな言語によって培われてきた日本人の心。日本語や文化を学ぶことによって諸外国人は、知らず「日本人の心」が自身の中に芽生え「タタミゼ」していくのかもしれません。
菩薩の精神
私は師匠より「日本は菩薩の国」と教わりました。使う人に喜んでもらえるようにとの物づくりや、相手の立場にたってのおもてなしの精神こそ菩薩の精神であり、日本人の精神文化の根底をなしています。加えて人の行いや心を「善」に変えていく文化や言語を持つ素晴らしい国がほかにあるでしょうか。
日本の感性が世界を変える-。なんて素晴らしいことなのでしょう。ただ残念ながら「日本人なのに日本の素晴らしさを知らない人」がまだまだたくさんいます。自国の素晴らしさにしっかりと目を向け、タタミゼする諸外国人に負けない「日本愛」を確立し「菩薩の国」の高い精神文化が世界のお手本となることが「世界を変える第一歩」となるのではないでしょうか。