孤立した住宅などで一夜を明かし、自衛隊のヘリコプターで救助され、消防隊員に抱きかかえられる子供と、幼児を抱き、笑顔を見せる女性=2015年9月11日午前、茨城県常総市(川口良介撮影)【拡大】
豪雨で鬼怒川の堤防が決壊し、大規模な水害に見舞われた茨城県常総市では11日、警察や自衛隊による救助活動が続けられた。市は22人と連絡が取れていないとして安否確認を急いだ。宮城県でも渋井川の堤防が決壊し氾濫も相次ぎ、栗原市で女性が死亡、男性が行方不明となった。車に乗ったまま流されたとみられる。栃木県では2人が死亡し、台風18号の影響による豪雨被害の死者は計3人になった。住民らの生命と財産を守るはずの堤防が各地で決壊した。専門家からは、従来の治水では近年の異常気象による大量降雨に対応できないとし、防災意識の向上による早期避難の徹底などソフト面の充実を求める声が上がっている。
浸水1万世帯超
常総市では午後4時半現在、約900人が救助を求めており、警察や消防、自衛隊が約650人を救助した。茨城県警によると、不明者には8歳の子供2人が含まれている。避難者は、避難所や商業施設などで一夜を過ごした。国土交通省によると、決壊場所付近で11日午前、水の流入が止まっているのが確認されたが、浸水被害は1万世帯以上に上る。約400人が避難していた市役所は床上浸水し、孤立状態になっていたが、11日夕から救助が始まった。