新法、旧法ともに、スパイ摘発を主管する国家安全省に対して、盗聴などの「技術偵察措置」を容認するほか、身分証明を提示するだけで家宅捜索や証拠の押収、捜査に必要な施設が収用できる。
摘発対象となるスパイ活動の定義について、旧法が定義した「政府の転覆、国家の分裂、社会主義制度の破壊を図る陰謀」などは削除。新法では「中華人民共和国の国家安全に危害を加える活動」(38条)に統一された。スパイ行為の認定について、治安当局に幅広い解釈が認められた形だ。
最悪、死刑適用も
新法に違反した外国人らに対しては「国外追放」の措置とともに、「刑事責任を追及する」と規定されている。刑法のスパイ罪で逮捕、起訴された場合は、無期懲役までの量刑が規定されているほか、最悪の場合は特別規定で死刑の適用もあり得る。今年7月には、国家転覆などの策謀防止や国家主権の維持について、サイバー空間にまで踏み込んで規定した、新たな「国家安全法」が施行された。
さらに習政権は、「反テロ法案」「海外非政府組織(NGO)管理法案」などの治安、団体規制に関する法令を準備中だ。海外NGO管理法案には、中国で活動する欧米系の福祉団体などが「活動の存続にかかわる」として強く反発している。(山本秀也/SANKEI EXPRESS)