記者会見する安倍晋三(しんぞう)首相=2015年10月6日午前、首相官邸(共同)【拡大】
同時に「TPPはスタートにすぎない。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)、アジア太平洋自由貿易圏(FTAAP)など、アジアの国々ともっと大きな経済圏を作り上げていく」とも語った。
≪漂流寸前 対中警戒で日米折り合う≫
5年超にわたったTPP交渉は、長期漂流に陥る寸前で妥結した。交渉の主導役であるはずの日米が激しく対立、全体の足かせとなっていたが、台頭する中国への警戒心から最後は両国も折り合った。薄氷を踏む合意の舞台裏を検証した。
タフネゴシエーターを軽視
「米国にモノが言えるのは日本が一番だ」。5日、米アトランタでの閣僚会合終了後、TPP担当相の甘利明(あまり・あきら、66)は日本が果たした役割を強調した。
2010年に始まった交渉に、首相の安倍晋三が参加を表明したのは13年3月。直前の日米首脳会談で、コメなどの重要農産物を関税撤廃の例外にできるとの感触を得たためだ。しかし13年7月、初めて参加した交渉で米国は重要農産物の関税撤廃を強く主張。日本の認識の甘さが露呈した。「タフネゴシエーター」(手ごわい交渉相手)の米通商代表、フロマンと、甘利の長い戦いが始まった。