記者会見する安倍晋三(しんぞう)首相=2015年10月6日午前、首相官邸(共同)【拡大】
6月には交渉全体の潮目を変える大きな出来事があった。米議会で、バラク・オバマ大統領(54)に交渉権限を一任する貿易促進権限(TPA)法が僅差で可決、成立したのだ。交渉妥結に不可欠とされる法律の行方を見守っていた各国は、一斉に譲歩カードを切り始めた。
最終会合2時間前に完成
「世界経済のルールを作るのは、中国ではなくわれわれだ」。オバマはTPPが中国包囲網であることを認め、安倍も安全保障上の意義を強調した。経済、軍事面で存在感を増す中国への警戒心が、両首脳の背中を押していた。
7月、米ハワイでの閣僚会合は合意への期待が高まり、日米協議も進展した。しかし会合の終盤、ニュージーランドが乳製品の市場開放を強く求め、新薬のデータ保護期間をめぐっても米国とオーストラリアが鋭く対立。またしても合意は見送られた。