「オバマ(米大統領)に文句が言いたいよ」
メールにつづられていた恨み節の思わぬ矛先に、不謹慎だが苦笑を禁じ得なかった。メールの送り主は米東部の自動車販売業者。特派員時代、米ゼネラル・モーターズ(GM)の大量リコール(回収・無償修理)問題の取材などで、ずいぶん協力してもらった。
業者によると、最近、顧客から「お前の店のクルマは大丈夫か?」といった問い合わせが増えているそうだ。
きっかけは、ドイツの自動車大手フォルクスワーゲン(VW)による不正な排ガス規制逃れだ。この業者はそもそも米国であまり人気のないVWは扱っておらず、VW以外のクルマに問題はない。だが、不正が米国での調査で発覚した経緯もあり、米国民が不安にかられ始めた様子がみてとれる。
VWは違法ソフトで窒素酸化物の排出量基準をクリアしようとした疑いがもたれている。欧米メディアによると、VWは2005~06年ごろから違法ソフトの搭載を始めたとされるが、米国の排ガス規制強化も背景にあった可能性がある。トヨタ自動車と販売台数世界一の座を争うVWにとって、苦戦する米市場の対策は重要だ。