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閉じ込められている人を書きたい 「負け逃げ」著者 こざわたまこさん (1/3ページ)

2015.10.11 08:30

新たな“地方都市小説”を生み出したこざわたまこさん。「田舎の湿気を描きたかった」という=2015年9月18日(塩塚夢撮影)

新たな“地方都市小説”を生み出したこざわたまこさん。「田舎の湿気を描きたかった」という=2015年9月18日(塩塚夢撮影)【拡大】

  • 「負け逃げ」(こざわたまこ著/新潮社、1728円、提供写真)

 【本の話をしよう】

 窪美澄(くぼ・みすみ)さんらを輩出した人気コンクール「女による女のためのR-18文学賞」読者賞の受賞から3年。こざわたまこさん(28)が連作短編集『負け逃げ』で念願のデビュー作刊行を果たした。地方都市に生きることの鬱屈と希望を、疾走感あふれる文体で凝縮させた。

 「受賞から時間がかかってしまって…。書けない時間が長かったけれど、諦めずに食らいついていった。やっとの刊行です」。自著を前に、ほっとした表情を見せる。

 自分なりの故郷への思い

 「衝動的に書いた」という受賞作は、「僕の災い」。足に障害のある女子高生・野口は一見優等生だ。しかし、裏では不特定多数の異性と肉体関係を重ねている。偶然それを知ったクラスメートの田上は、以来、男との逢瀬を終えた野口をたびたび家まで送り届ける「共犯者」となる-。「最初に、田舎の風景の中を、女の子が足をひょこひょこ引きずりながら歩いている光景がぱっと浮かんできて…」

地方都市を舞台にした作品を書く若手作家

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