ブランドとして位置づけ
裕輔さんは、この印傳を次代につなげていくため、新たな取り組みを始めている。
まず、自然の恵みを背景としたモノ作りのストーリーを発信すること。誰がどのように鹿を捕っているのか。そして誰がどんな風に印傳を作っているのか-。背景も含め、責任を持てるモノを作り出す。
現在の印傳作りにおいて、日本の鹿革は、非常に入手が難しくなっている。鹿の狩猟を行う人が少なくなっているうえ、鹿革の品質を考えた狩猟が行われていないためだ。その中でも、誰がどのように捕ったかが分かるエゾジカの革を使い、印傳作りに挑もうとしている。
2つ目は、「甲州印傳」の位置づけを変えることだ。印傳は、これまで土産ものとして販売されることが多かった。そのため、その美しさや技術の高さに比べて、価格が安く抑えられがちだった。