マンション傾斜問題で国交省に報告後、記者会見で謝罪する旭化成建材の堺正光(まさてる)取締役常務執行役員(手前)と旭化成の柿沢信行執行役員=2015年10月22日、東京都千代田区霞が関(共同)【拡大】
3040件についてのデータ改竄の有無の調査は現在、旭化成建材の社員ら約150人が紙の図面を目視で精査。男性管理者が関わった41件を優先している。
所有者などには対象となっていることは知らせず、調査で不正が見つかった場合には、施工主や管理組合に伝える方針。所有者側からの問い合わせにも回答しない。
調査対象は2004年1月にくい打ち施工が完了した物件から10年間。男性管理者は約3年前に担当が変わったという。
この問題では、男性管理者が、地盤の強度やくいの先端を補強するコンクリート量のデータの管理ミスなどを隠すため、3棟で計70本のくいのデータを改竄。うち8本でくいの深度が不十分だった。横浜市が建築基準法違反の疑いで、国交省が建設業法と宅建業法に抵触する疑いがあるとみて関係した業者を調べている。
≪下請けにしわ寄せ 「工期のためなら突貫工事」≫
旭化成建材が過去約10年間に行ったくい打ち工事は、全国の住宅や学校など広範囲に及んでおり、大きな不安が広がる。親会社の旭化成はマンション傾斜問題に至った原因究明と再発防止策の構築を目指すが、問題の背景に「工期の短さ」「下請け業者の立場の弱さ」を指摘する声も上がる。再発防止に向けた作業は緒に就いたばかりだ。