中国が南シナ海に建設する人工島について公聴会で証言を行う、米太平洋軍のハリー・ハリス司令官=2015年9月19日、米国・首都ワシントン(AP)【拡大】
南シナ海の中国の人工島周辺で米国がイージス駆逐艦航行に踏み切り、南シナ海域の緊張が一気に高まった。領有権問題で中国と衝突するフィリピンやベトナムなどは、3日からクアラルンプールで開かれる日米中など8カ国を交えた東南アジア諸国連合(ASEAN)拡大国防相会議(ADMMプラス)で米国との連携を強めるとみられる。
議長国マレーシアも領有権問題を抱えるが、中国に配慮する姿勢が強く、会議ではイスラム教過激組織対策が「主要議題だ」とするが、参加国は2国間協議を含め、南シナ海問題での合従連衡を模索する見通しだ。
ただ、ASEANは、8月の外相会議の共同声明で、中国の人工島建設への懸念が「一部の外相」に限定されると記載するなど、足並みの乱れを改めて露呈した。カンボジアなど「親中派」とされる加盟国に加え、欧米から制裁を受けるタイの軍事政権が中国シフトを強めているもようだ。
一方、米国と連携して中国の覇権構築に対抗するフィリピンとベトナムは、APECの場を利用し、戦略的パートナーシップを結ぶ方針だ。対する中国は、軍事力と経済力を武器に、ASEAN分断工作を加速させるなど、激しい揺さぶりをかけるとみられる。(シンガポール 吉村英輝/SANKEI EXPRESS)