耳に残るメロディー
もう一人は、日本でも1980年代に一大旋風を巻き起こしたフリオ・イグレシアス。68年にデビューしているので、芸歴は50年近い。しかも、全世界で3億枚以上ものレコードセールスを記録し、ギネスブックに記録保持者として記載されているスーパースターである。
そんな彼が9年ぶりに発表したアルバムが「愛しのメキシコ」。文字通り、敬愛するメキシコの作曲家に焦点を当て、全編スペイン語で歌いつづった作品集だ。
一度聴き、耳に残ったのは、冒頭の甘いラブソング「ウステー~あなた」から国民的な愛唱歌となっている「メヒコ・リンド~美しのメキシコ」まで、この国ならではの、南国的な開放感とほのかな哀愁を漂わせたメロディーだ。そして、とても70代とは思えない若々しく色気もたっぷりの歌声が、心を揺さぶる。人恋しくなる季節にぴったりの作品といえるだろう。(音楽&旅ライター 栗本斉(ひとし)/SANKEI EXPRESS)