県営名古屋空港を離陸し初飛行する「MRJ」。約1時間半のフライトを終え、無事着陸した=2015年11月11日午前、愛知県小牧市(代表撮影)【拡大】
「飛行機が飛びたいと言っているようにふわっと浮いた」
機長を務めた自衛隊出身で三菱航空機チーフテストパイロットの安村佳之さん(58)は初飛行後の記者会見で、こう感想を語り、「ファンタスティック。今まで操縦した機体で、トップクラスの安定性だ」と性能に太鼓判を押した。三菱航空機の森本浩通社長も「成功、しかも大成功に近い」と満面の笑みを浮かべた。
今後、日米で計2500時間に上る飛行試験を実施。国土交通省が安全性を認証する「型式証明」を取得し、17年4~6月にANAホールディングスに初納入する計画だ。これまでに国内外で計407機を受注しており、初飛行成功を受け大幅な上積みを目指す。
ゼロから再挑戦
MRJの開発は苦難の連続だった。計画は5度延期され、当初目標より4年以上遅れて初飛行にたどり着いた。
戦前・戦中に「ゼロ戦」などの名機を生んだ日本の航空機産業は終戦後、研究開発が禁止され、7年の空白を経て1952年に再開が認められた。62年に初飛行したYS11は約180機を納入したが、巨額の赤字を抱えて73年に生産を終え撤退。三菱航空機の親会社である三菱重工業が2000年代前半にMRJの開発に着手するまで、今度は約40年もの空白が生じた。