古代の儀式にのっとって執り行われた結婚式で、特注の漢服に身を包んだ王叡舒さん(左)と潘浩源さん=2015年7月、中国・首都北京市(共同)【拡大】
漢服復活を目指す「漢服運動」が始まったのは2004年ごろ。国内総生産(GDP)が10%台の成長を続けるなどした高度経済成長時代、普及運動も中国各地に一気に広がった。
北京で漢服での結婚式を手掛ける任冠宇さん(39)は06年に事業を立ち上げ、現在の営業収入は年400万元(約7700万円)だ。顧客の8割は長期の海外生活を経験した若者で、50万元の費用を投じた富裕層もいる。
任さんは「若い世代が外国文化に接して、ますます民族独自のものを取り戻したいと思うようになった。漢服運動は、人間誰しもが行うルーツ探しだ」と指摘する。
漢服をめぐる世論で特徴的なのは、若い世代に支持者が多いのに対して、年配の人は無関心か「形ばかりで中身が伴っていない」と冷ややかな態度の人が多いことだ。
任さんは「文革世代の中国人は共産党に洗脳され、伝統文化を否定されてしまった。中国で過去100年近く、文化面で最も被害を受けたのは漢民族だ」と憤る。