古代の儀式にのっとって執り行われた結婚式で、特注の漢服に身を包んだ王叡舒さん(左)と潘浩源さん=2015年7月、中国・首都北京市(共同)【拡大】
初めての帰属意識
漢服人気は海外帰りのエリート層だけにとどまらない。北京の会社員、冉夢希さん(26)は大学生のころ、漢服を一目見てチャイナドレスや人民服には感じなかった熱い気持ちが湧き上がった。「自分の血液が共鳴している」と感じたという。
以来、通信アプリで同好の士と連絡を取り、中国の伝統的な祝日に漢服を着て公園に集まるイベントを開催している。仲間のほとんどが「北漂」と呼ばれる地方から北京に出てきた若者だ。
冉さんは「僕らは伝統文化の教育を受けてこなかったから、漢服運動を知って初めて帰属意識を持てるようになった。これこそ自分が求めていたものだと感じている」と語った。(共同/SANKEI EXPRESS)
■漢服運動 漢民族の伝統衣装を普及させる運動。2001年に上海で開かれたアジア太平洋経済協力会議(APEC)の首脳会議で、当時の江沢民国家主席が「唐装」と呼ばれる、詰め襟にひもボタン留めの服を着用した。ところが唐装は満州族の伝統様式をアレンジしたものだったため「唐王朝時代のものでもなければ、漢民族を代表する礼服でもない」と議論が起こり、04年ごろから漢民族本来の衣装を復活させようとの運動が広まった。ネット上には一部で民族主義の影も見え隠れする。(共同/SANKEI EXPRESS)