Vサインとスローガンを掲げ、首都アンカラで起きたトルコ史上最悪の爆弾テロ事件に抗議する人たち=2015年10月10日、トルコ・イスタンブール(AP)【拡大】
トルコの首都アンカラで10日に起きたトルコ史上最悪規模のテロで首相府は10日、テロの死者が少なくとも95人、負傷者が246人に達したと発表した。犯行は自爆テロとみられ、現地メディアは、実行犯の1人は25~30歳くらいの男とみられると伝えたが、背後関係は不明だ。
今回のテロを受けて、11月に予定される出直し総選挙では治安や安全保障が重要争点になるのは確実だ。イスラム系の第1党、公正発展党(AKP)を率いるダウトオール首相は10日、犯行声明が確認されていない段階にもかかわらず、イスラム教スンニ派過激組織「イスラム国」やクルド武装勢力、極左組織が関与した可能性を示唆。これらの組織の掃討・取り締まりを進める政府の「強い姿勢」をアピールする狙いとみられる。
トルコでは6月の総選挙で少数民族クルド人系の左派、人民民主党(HDP)が躍進し、AKPを過半数割れに追い込んだ。
その後の連立交渉が難航する中、トルコ政府は7月、「イスラム国」と、非合法武装組織「クルド労働者党(PKK)」との戦闘を開始した。それまで和平協議を続けてきたPKKに対して強硬路線に転じたのは、連立交渉が不調に終わって出直し総選挙が実施されるのを見越し、PKKと近い関係にあるとされるHDPを切り崩す狙いもあったからだと指摘される。