Vサインとスローガンを掲げ、首都アンカラで起きたトルコ史上最悪の爆弾テロ事件に抗議する人たち=2015年10月10日、トルコ・イスタンブール(AP)【拡大】
出直し選でHDPが現在の80議席を維持し、AKPが再び過半数割れとなれば、改憲を目指すAKP出身のエルドアン大統領がレームダック(死に体)に陥るとの見方もある。それだけに、AKPの焦りは小さくない。
そんな中で発生した今回のテロでは、HDPを含むクルド系や左派系の集会が標的となった。「テロとの戦い」を旗印にしてきた政府側としては、「イスラム国」やPKKが関与しているか否かにかかわらず、事件を求心力回復につなげたい思惑があるとみられる。
他方、最大都市イスタンブールなどでは事件後、クルド人らによる反AKPデモも起きており、政局の行方は混沌(こんとん)としている。(カイロ 大内清/SANKEI EXPRESS)
≪暴力連鎖・大量難民…全欧州の火種≫
北大西洋条約機構(NATO)有数の軍事力を誇り、新興国として経済成長した地域大国トルコの首都アンカラで史上最悪のテロが起きた。国内外の対立の構図は複雑化し、暴力の連鎖を招く火種が尽きない。トルコはシリアからの大量難民も抱え、欧米諸国の間では政情不安の長期化に懸念が広がる。