ノーベル平和賞受賞が決まった、チュニジアの労働組合など4者による「国民対話カルテット」の代表者ら=2013年9月、チュニジア・首都チュニス(ロイター)【拡大】
ノルウェーのノーベル賞委員会は9日、2015年のノーベル平和賞を、民主化運動「アラブの春」の先駆けとなり、民主的な国造りに唯一成功したチュニジアで、各勢力の対話を仲介した労働組合など4者による「国民対話カルテット」に授与すると発表した。民主化運動は各地に波及したが、その後は過激派組織「イスラム国」が勢力を拡大するなど混乱が続く。ノーベル賞委員会は授賞により、平和的な対話を通じた中東の民主化と社会の安定を促した形だ。
内戦瀬戸際を救う
「民主主義の建設に決定的な貢献をした」ことが授賞理由。チュニジアでは11年1月、「ジャスミン革命」でベンアリ独裁政権が崩壊。しかし台頭したイスラム過激派による非宗教の世俗派の襲撃や暗殺が頻発、両派の対立で内戦の瀬戸際に立たされた。
危機打開のため、社会的に影響力があるチュニジア労働総同盟(UGTT)、経団連(UTICA)、人権擁護連盟、全国弁護士会の4者が13年夏、カルテットを結成。憲法制定など民主化のロードマップをまとめ、与野党による「国民対話」が始まった。その結果、イスラム勢力と世俗派の妥協が成立。14年1月の民主的な新憲法制定、この年の秋の議会選と大統領選にこぎ着けた。ノーベル賞委員会はカルテットが「平和的な政治プロセスを構築した」と評価した。