ノーベル物理学賞に決まった梶田隆章・東京大宇宙線研究所長(56)は受賞決定から一夜明けた7日、東京都文京区の東京大で取材に応じ、「私は非常に、あり得ないぐらい恵まれていた」と、恩師や同僚らへの感謝の思いを語った。
早朝から報道各社の囲み取材に応じた梶田さんは「少し冷静になって、本当にこんなことが起こっていいんだろうかと複雑な思いがあります。もちろんうれしいですが」とコメントした。
お会いしてお礼を
重さがないと考えられていた素粒子「ニュートリノ」に質量があることを見つけた研究で受賞が決まった梶田さんは、観測装置「カミオカンデ」によるニュートリノの観測で2002年に物理学賞を受賞した小柴昌俊東京大特別栄誉教授(89)の教え子。先輩に当たる戸塚洋二さん(08年死去)の指導の下、より大きな「スーパーカミオカンデ」(岐阜県飛騨市神岡町)での研究が評価された。「(受賞は)小柴先生のおかげ。できれば直接お会いしてお礼をしたい」と話す梶田さん。
神岡に建設されたニュートリノ観測装置では続々と成果が出ており、ニュートリノ研究で世界の中心地になっている。