神岡には地下1000メートルに鉱山の坑道跡がある。その岩盤によって観測の邪魔になる余計な粒子を避けられる。ここに小柴さんの主導で1983年に最初に造られたのが「カミオカンデ」だ。水3000トン分の円筒形タンクの内側に光センサーを1000個設置し、ニュートリノが水とぶつかったときに出る光を捉える。
87年に超新星爆発と呼ばれる天文現象で生じたニュートリノの観測に成功。この成果で小柴さんは2002年にノーベル物理学賞を受けた。
カミオカンデの後継として96年に運転を始めた「スーパーカミオカンデ」は、水タンク5万トン、光センサー1万1000個と高性能化した。
98年、梶田さんらは大気中で生じる「ミュー型」のニュートリノが「タウ型」に変身するニュートリノ振動を初めて報告。ニュートリノが質量を持つ証拠となり、梶田さんのノーベル賞につながった。その後も茨城県の加速器から飛んできた人工ニュートリノの振動を精密に観測した。
梶田さんは「カミオカンデとスーパーカミオカンデで、ものすごく重要な結果を出し続けることができた。そういう実験の仲間としてやれた」と、これまでの研究生活を振り返った。